えりままのブログ

シニアのつれづれ、悩むより行動を・・をモットーに過ごしています。

10年前、旧姓に戻ったこと…

30年近く前、娘が物心つく前に離婚したこともあり、「婚姻中の氏を名乗る」届を役所に出して苗字を変えずにいました。


10年前、娘が結婚したことを機に、旧姓に戻すことにしました。


娘も『お母さんがそうしたいならいいよ」と。


と言っても今度は役所で簡単にはできません。


家庭裁判所に審判の申し立てをして、何回か裁判所に通い、面接を受け2ヶ月後に許可がおりました。


忘れられないのが裁判所での面接、調査官と思われる面接官は年配の女性でした。


私の場合、離婚から相当期間も経っていて、旧姓に戻す理由も相当の理由ということでしょう。


「今まで母子家庭でよく頑張ってきましたね・・何の問題もないですよ」と質問どころか労いの言葉をもらってすぐに終わりました。


それから有休を何日か取り、審判状を持参して、銀行(預貯金)、警察(免許証)、法務局(自宅名義)、役所他思いつく全ての機関へ、名義変更手続きに走りました。


そして休み明けの仕事復帰の日、朝礼で、「今日から苗字が〇〇から〇〇に変わります。」と一言伝えました。


もちろん身近な人たちには事前に話をしていましたので、問題はなかったのですが、その他の多くの人、また仕事関係の外部の人たち・・その反応が興味深いものでした。


57歳で名前が変わった・・


「どっちですか?」とか「おめでとうございます」?? 「……?」


直接聞いてくる人はまだしも、一部の人たちは、私の身近な人に間接的に「なんで名前変わったの?」と聞いてきていたそう。


カード会社に電話した時には「失礼ですが理由は?」と聞かれました。


言う必要ありますか?・・


結婚したわけでもなく、今離婚したわけでもなく(はるか昔に離婚はしています)


説明するのは正直厄介でした・・


「名前が変わりました」「はい、わかりました」で何故済まないのでしょう。


否が応でもプライバシーが曝け出されるのです。


日本では結婚すると夫婦は同一姓になることが法律で定められていて、今でも95%以上が夫の氏に何の疑問もなくなっているようです。






かつて同様の国が多くありましたが、次々に選択的別姓が認められ、日本だけが同一姓となっています。


女性の社会進出が当たり前の時代、仕事を持つ女性にとって結婚や離婚のたびに、名前が変わり、プライバシーが曝け出され、それによる不利益を受ける・・旧姓を通称として使い続けても限界があります。


私が旧姓に戻した翌年(2015年)夫婦同一姓は合憲か違憲かで争われましたが、日本の家制度に始まり、夫婦で苗字が違うと家族の絆が薄れる・・・などという何とも多様性に逆行する意見が根強く、合憲判断が下されました。


この問題は根強く、前に進まないようですが、時代がきっと答えを出してくれる日もそう遠くないのでは・・と感じています。

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